CSAT(顧客満足度スコア)とは
概要
Customer Satisfaction Score の略で、顧客満足度を数値化した指標。特定の接点やサービス全体に対する満足度を 5 段階などで評価してもらい、満足している顧客の割合を算出する。

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CSAT とは Customer Satisfaction Score の略で、顧客満足度を数値化した指標です。特定の製品、サービス、対応などに対する満足度を直接質問し、その回答をスコア化します。シンプルで分かりやすいため、多くの企業で活用されています。
CSAT の測定方法
CSAT の基本的な測定方法を紹介します。
質問例: 「本日のサポート対応にどの程度満足していますか?」
回答選択肢(5 段階の場合):
- 5: 非常に満足
- 4: 満足
- 3: どちらでもない
- 2: 不満
- 1: 非常に不満
CSAT の計算方法
CSAT スコアは以下の計算式で算出します。
計算式: CSAT(%)= 満足と回答した人数 ÷ 回答者総数 × 100
5 段階評価の場合、「5: 非常に満足」と「4: 満足」を選んだ人を「満足」としてカウントします。
例えば、100 人が回答し、80 人が 4 以上を選んだ場合: CSAT = 80 ÷ 100 × 100 = 80%
CSAT の評価基準
CSAT スコアの一般的な評価基準を紹介します。
| CSAT | 評価 |
|---|---|
| 90% 以上 | 非常に良い |
| 80〜89% | 良い |
| 70〜79% | 普通 |
| 60〜69% | 改善が必要 |
| 60% 未満 | 問題あり |
ただし、業界や調査対象によって基準は異なるため、自社の推移や競合との比較で評価することが重要です。
CSAT と NPS の違い
CSAT と NPS はどちらも顧客の評価を測る指標ですが、観点が異なります。
| 項目 | CSAT | NPS |
|---|---|---|
| 測定対象 | 満足度 | 推奨度(ロイヤルティ) |
| 質問 | 「満足していますか」 | 「友人に勧めますか」 |
| 時間軸 | 特定の接点・時点 | 全体的な関係性 |
| 活用 | サービス改善 | 顧客ロイヤルティ管理 |
CSAT は「今の満足度」、NPS は「長期的な関係性」を測る指標と言えます。
CSAT 調査のタイミング
CSAT を調査する効果的なタイミングを紹介します。
サポート対応後:
- 問い合わせ解決後
- チャット終了後
- 電話対応後
取引完了後:
- 購入完了後
- サービス利用後
- 契約更新後
定期的な調査:
- 四半期ごと
- 年次調査
- 特定のタイミング
カスタマーサポートにおける CSAT
カスタマーサポートでは、CSAT が品質管理の基本指標として活用されます。
測定対象:
- 電話対応の満足度
- メール対応の満足度
- チャット対応の満足度
- 問題解決の満足度
活用方法:
- 対応品質の評価
- オペレーター別の分析
- チャネル別の比較
- 改善施策の効果測定
チャットボットと CSAT
チャットボットの品質評価にも CSAT が活用されます。
測定方法:
- チャット終了後にアンケート表示
- 「この回答は役に立ちましたか?」
- サムズアップ/ダウンによる簡易評価
チャットボットが CSAT に与える影響:
プラス要因:
- 即座に回答が得られる
- 24 時間対応
- 待ち時間がない
マイナス要因:
- 求める回答が得られない
- たらい回しの印象
- 人間との対話を希望する場合
CSAT 向上の施策
CSAT を向上させるための具体的な施策を紹介します。
対応品質の向上:
- オペレーターの研修強化
- 対応マニュアルの整備
- 権限の拡大(即座に解決できるように)
対応速度の改善:
- 一次返信時間の短縮
- 待ち時間の削減
- 問題解決までの時間短縮
期待値の管理:
- 対応時間の目安を伝える
- できること・できないことを明確に
- フォローアップの約束
CSAT データの分析
収集した CSAT データを分析する方法を紹介します。
時系列分析:
- 日次、週次、月次の推移
- 季節変動の把握
- 施策の効果測定
セグメント分析:
- チャネル別(電話、メール、チャット)
- 問い合わせ種別
- オペレーター別
- 顧客属性別
要因分析:
- 満足度が高い/低い要因の特定
- 自由回答コメントの分析
- 相関関係の分析
CSAT 調査の設計
効果的な CSAT 調査を設計するためのポイントを紹介します。
質問設計:
- シンプルで明確な質問
- 回答しやすい選択肢
- 追加の自由回答欄
回収率向上:
- 調査の目的を説明
- 短時間で回答できるように
- 適切なタイミングで依頼
注意点:
- 誘導的な質問を避ける
- 回答負担を最小限に
- 定期的に質問を見直す
CSAT の限界
CSAT には限界もあります。
測定の限界:
- 特定の接点のみを測定
- 全体的な関係性は測れない
- 回答者が偏る可能性
解釈の限界:
- 「普通」の解釈が人によって異なる
- 文化による違い
- 比較が難しい場合がある
補完する指標:
- NPS: ロイヤルティを測定
- CES: 顧客の労力を測定
- 継続率: 実際の行動を測定
CSAT と改善サイクル
CSAT を活用した改善サイクルを紹介します。
- 測定: CSAT を定期的に測定
- 分析: スコアと要因を分析
- 課題特定: 改善すべきポイントを特定
- 施策立案: 具体的な改善策を検討
- 実行: 施策を実施
- 効果測定: CSAT の変化を確認
- 継続改善: サイクルを繰り返す
まとめ
CSAT(顧客満足度スコア)は、顧客満足度を数値化するシンプルで有効な指標です。特定の接点やサービスに対する満足度を直接質問し、満足している顧客の割合を算出します。
カスタマーサポートでは、対応品質の評価や改善施策の効果測定に広く活用されています。チャットボットの品質評価にも有効で、対話終了後にアンケートを表示して満足度を収集できます。
CSAT だけでなく、NPS や CES など他の指標と組み合わせることで、顧客の評価をより多角的に把握できます。定期的に測定し、改善サイクルを回すことで、顧客満足度を継続的に向上させましょう。
関連用語
NPS(ネットプロモータースコア)
Net Promoter Score の略で、顧客ロイヤルティを測定する指標。「このサービスを友人や同僚に勧める可能性はどのくらいですか」という質問に 0〜10 で回答してもらい、推奨度を数値化する。
CES(顧客努力指標)
Customer Effort Score の略で、顧客がサービス利用や問題解決にどの程度の労力を要したかを測る指標。「簡単に解決できたか」を評価し、顧客体験の改善に活用される。
顧客満足度
顧客が製品やサービスに対してどの程度満足しているかを示す指標。CS(Customer Satisfaction)とも呼ばれ、企業の成長と収益に直結する重要な経営指標。