QA(品質保証)とは
概要
Quality Assurance の略で、製品やサービスが一定の品質基準を満たしていることを保証する活動。カスタマーサポートでは、対応品質を管理・向上させるための取り組みを指す。

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QA とは Quality Assurance の略で、「品質保証」と訳されます。製品やサービスが一定の品質基準を満たしていることを保証するための活動全般を指します。カスタマーサポートにおいては、対応品質を管理・向上させるための取り組みを意味します。
カスタマーサポートにおける QA
カスタマーサポートの QA 活動について説明します。
QA の目的:
- 対応品質の維持・向上
- サービスレベルの確保
- 顧客満足度の向上
- オペレーターのスキルアップ
QA の対象:
- 電話対応
- メール・チャット対応
- チャットボットの回答
- 対応プロセス全体
QA の主な活動
カスタマーサポートの QA で行われる主な活動を紹介します。
モニタリング:
- 対応内容の確認・評価
- ランダムサンプリングでのチェック
- リアルタイムモニタリング
評価:
- 評価基準に基づくスコアリング
- 強み・改善点の特定
- 傾向分析
フィードバック:
- オペレーターへの結果共有
- 改善アドバイス
- 優れた対応の共有
改善:
- 研修の実施
- マニュアル・SOP の更新
- プロセスの見直し
QA の評価基準
対応品質を評価する際の主な基準を紹介します。
| カテゴリ | 評価項目 |
|---|---|
| 正確性 | 回答内容の正確さ、誤情報の有無 |
| 完全性 | 必要な情報をすべて提供したか |
| 対応姿勢 | 丁寧さ、親切さ、共感 |
| 解決力 | 問題を解決できたか |
| 効率性 | 適切な時間で対応できたか |
| コンプライアンス | ルール・規定の遵守 |
QA スコアカード
QA 評価に使用するスコアカードの例を紹介します。
電話対応の評価項目例:
- オープニング(挨拶、名乗り): 10 点
- 傾聴・共感: 15 点
- 情報収集(適切な質問): 15 点
- 解決策の提示: 20 点
- 説明の分かりやすさ: 15 点
- クロージング: 10 点
- コンプライアンス: 15 点
- 合計: 100 点
QA 担当者の役割
QA 担当者(クオリティアナリスト)の役割を説明します。
主な業務:
- 対応内容のモニタリング・評価
- 評価結果のフィードバック
- 品質レポートの作成
- 改善提案
- 研修の企画・実施
求められるスキル:
- サポート業務の経験・知識
- 客観的な評価能力
- コミュニケーション能力
- データ分析力
チャットボットの QA
チャットボットの品質保証も重要です。
チャットボット QA の観点:
- 回答の正確性
- 質問の理解精度
- 回答の網羅性
- 自然な対話
- エスカレーションの適切さ
QA の方法:
- 対話ログのレビュー
- テストケースによる検証
- 顧客フィードバックの分析
- 定期的な精度測定
QA プロセスの設計
効果的な QA プロセスを設計する方法を紹介します。
ステップ 1: 評価基準の策定
- 何を評価するかを明確に
- 評価項目と配点の設定
- 基準の文書化
ステップ 2: サンプリング方法の決定
- ランダムサンプリング
- 全件チェック
- リスクベースの抽出
ステップ 3: 評価の実施
- 評価者のトレーニング
- 評価の実施
- 結果の記録
ステップ 4: フィードバック
- 結果の共有
- 1on1 でのフィードバック
- 改善計画の策定
ステップ 5: 改善活動
- 研修の実施
- マニュアルの更新
- プロセスの見直し
QA の KPI
QA の効果を測定する KPI を紹介します。
| KPI | 説明 |
|---|---|
| QA スコア | 評価結果の平均スコア |
| 評価実施率 | 評価対象のうち実際に評価した割合 |
| 改善率 | フィードバック後のスコア改善率 |
| 重大エラー率 | 重大な問題が発生した割合 |
| CSAT | 顧客満足度との相関 |
QA とトレーニング
QA とトレーニングは密接に関連しています。
QA から得られる研修ニーズ:
- 共通して低いスコアの項目
- 頻出するエラーパターン
- 新しい製品・サービスの知識不足
研修への反映:
- 課題に応じた研修プログラム
- 個別のスキルアップ支援
- 優れた対応事例の共有
QA の課題
QA でよくある課題とその対策をまとめます。
評価者によるばらつき:
- 原因: 評価基準の解釈が異なる
- 対策: キャリブレーション(評価の摺り合わせ)
フィードバックが活かされない:
- 原因: 一方的な伝達
- 対策: 対話型のフィードバック、フォローアップ
サンプル数が不十分:
- 原因: リソース不足
- 対策: AI による自動評価の活用
改善が続かない:
- 原因: 継続的なフォローがない
- 対策: 改善計画の追跡、定期的なレビュー
AI を活用した QA
AI を活用して QA を効率化する方法を紹介します。
AI 活用の例:
- 対話内容の自動分類
- 感情分析
- キーワード・フレーズの検出
- 自動スコアリング
メリット:
- 全件チェックが可能に
- 評価の一貫性
- リアルタイムでのアラート
- QA 担当者の負荷軽減
まとめ
QA(品質保証)は、カスタマーサポートの対応品質を管理・向上させるための重要な活動です。モニタリング、評価、フィードバック、改善のサイクルを回すことで、一貫した品質を維持します。
評価基準を明確にし、スコアカードを使って客観的に評価することが重要です。チャットボットの QA も同様に、回答の正確性や対話の自然さを定期的にチェックする必要があります。
AI を活用することで、全件チェックや自動スコアリングが可能になり、QA の効率と精度を向上させることができます。継続的な改善活動を通じて、顧客満足度の向上を目指しましょう。
関連用語
SOP(標準作業手順)
Standard Operating Procedure の略で、業務を遂行するための標準的な手順を文書化したもの。誰が行っても同じ品質で作業できるよう、手順を詳細に記載する。
CSAT(顧客満足度スコア)
Customer Satisfaction Score の略で、顧客満足度を数値化した指標。特定の接点やサービス全体に対する満足度を 5 段階などで評価してもらい、満足している顧客の割合を算出する。
一次解決率(FCR)
First Contact Resolution の略で、顧客からの問い合わせを最初の対応で解決できた割合。カスタマーサポートの品質と効率を測る重要な指標。