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FAQ を作っても問い合わせが減らない原因と改善策

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結論

FAQ ページを作っても問い合わせが減らないのは、見つけにくさと内容のミスマッチが原因であり、ユーザー導線の改善と対話型 FAQ の導入で、自己解決率を大幅に向上させることができます。

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FAQ を作ったのに、なぜ問い合わせは減らないのか

よくある質問をまとめた FAQ ページを作成したのに、同じ内容の問い合わせが相変わらず来る。このような経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。せっかく時間をかけて FAQ を整備したのに、効果が実感できないとがっかりしてしまいます。

結論から述べると、FAQ が問い合わせ削減に貢献していない最大の原因は「見つけにくさ」と「内容のミスマッチ」にあります。どれだけ丁寧に回答を書いても、ユーザーがそのページにたどり着けなければ意味がありません。また、ユーザーが知りたいこととFAQ の内容がずれていれば、結局は問い合わせることになります。

この記事では、FAQ を作っても問い合わせが減らない原因を分析し、効果的な改善策を解説していきます。FAQ の見直しから、より効果的な自己解決の仕組みまで、実践的なノウハウをお伝えします。

FAQ が機能しない原因を特定する

FAQ が問い合わせ削減に効果を発揮していない場合、いくつかの原因が考えられます。まずは自社の FAQ がどの原因に当てはまるかを確認しましょう。

FAQ が機能しない主な原因を整理すると、以下のようになります。

原因具体的な状況
FAQ ページが見つからないサイト内での導線が弱い
質問が見つからない検索機能がない、カテゴリ分けが不適切
回答がわかりにくい専門用語が多い、説明が不十分
知りたいことが載っていないユーザーのニーズと内容がずれている
情報が古い更新されておらず信頼できない

Nielsen Norman Group の調査によると、ユーザーの多くは Web サイト上で情報を探す際、まずサイト内検索を使用し、見つからない場合は問い合わせをする傾向があります。つまり、FAQ への導線が弱いと、ユーザーは FAQ の存在に気づかないまま問い合わせてしまうのです。

Nielsen Norman Group - Search UX

自社の FAQ がどの原因に該当するか、アクセス解析や問い合わせ内容の分析を通じて特定することが改善の第一歩です。

FAQ ページへの導線を強化する

FAQ を作っても見てもらえなければ意味がありません。ユーザーが疑問を感じたときに、すぐに FAQ にアクセスできる導線を整備することが重要です。

導線強化の具体的な施策を確認しましょう。

  • ヘッダーメニューに「よくある質問」リンクを設置する
  • お問い合わせフォームの近くに FAQ へのリンクを配置する
  • 商品ページや料金ページに関連する FAQ へのリンクを設置する
  • サイト内検索結果に FAQ の内容を含める
  • フッターにも FAQ へのリンクを入れる

特に効果的なのが、お問い合わせフォームの直前に FAQ へのリンクを配置することです。「お問い合わせの前に、よくある質問をご確認ください」という形で案内すれば、問い合わせようとしていたユーザーの一部を FAQ に誘導できます。

また、商品ページや料金ページなど、疑問が生じやすいページには、そのページに関連する FAQ への導線を設けると効果的です。「この商品についてよくある質問」といった形で、文脈に合った FAQ を案内しましょう。

検索しやすい FAQ を設計する

FAQ ページにたどり着いても、知りたい情報が見つからなければユーザーは離脱してしまいます。大量の FAQ の中から目的の情報を見つけやすくする工夫が必要です。

検索性を高めるための施策を確認しましょう。

  • サイト内検索機能を FAQ に実装する
  • カテゴリ分けを適切に行う
  • 質問をユーザーの言葉で書く
  • キーワードの揺れを考慮する(「料金」「価格」「費用」など)
  • 人気の質問や最近追加した質問を目立たせる

検索機能を実装する際は、ユーザーが使う言葉と FAQ に使われている言葉の揺れを考慮することが重要です。例えば、ユーザーが「キャンセル」と検索したときに、「解約」というタイトルの FAQ もヒットするようにシノニム(同義語)設定を行うと、目的の情報にたどり着きやすくなります。

カテゴリ分けは、ユーザーの視点で設計することが重要です。企業側の組織構成(営業、サポート、経理など)ではなく、ユーザーのニーズ(購入について、使い方について、トラブル対応など)に基づいたカテゴリにしましょう。

ユーザーの言葉で質問を書く

FAQ の質問文は、企業側が想定する言い回しではなく、ユーザーが実際に使う言葉で書くことが重要です。企業側の視点で書かれた質問は、ユーザーが検索しても見つからないことがあります。

質問文を改善するポイントを確認しましょう。

改善前改善後
返品・交換ポリシーについて購入した商品を返品できますか
配送について注文してからどのくらいで届きますか
会員登録について会員登録しなくても購入できますか

実際の問い合わせ内容を分析し、ユーザーがどのような言葉で質問しているかを把握することが効果的です。問い合わせメールやチャットの履歴を確認し、よく使われる表現を FAQ に取り入れましょう。

また、一つの質問に対して複数の言い回しを想定し、検索でヒットしやすいように工夫することも有効です。ユーザー目線の言葉遣いが、FAQ の利用率を大きく左右します

わかりやすい回答を心がける

質問が見つかっても、回答がわかりにくければユーザーは問い合わせることになります。専門用語を避け、具体的でわかりやすい回答を心がけましょう。

わかりやすい回答を書くためのポイントを確認します。

  • 結論を最初に述べる
  • 専門用語は使わない、または説明を添える
  • 手順がある場合はステップで示す
  • 必要に応じて画像や動画を活用する
  • 関連する FAQ へのリンクを設置する

回答の冒頭では、まず結論を述べることが重要です。「できます」「できません」「○○円です」といった端的な回答を最初に示し、その後で詳細や条件を説明する構成にすると、ユーザーは必要な情報をすぐに得られます。

手順の説明では、番号付きのステップで示すと理解しやすくなります。「まず○○を開き、次に○○をクリックし…」と文章で書くよりも、「1. ○○を開く」「2. ○○をクリック」とステップで分けた方が追いやすいです。

問い合わせ内容と FAQ の内容を照らし合わせる

FAQ が問い合わせ削減に貢献しているかどうかを確認するには、実際の問い合わせ内容と FAQ の内容を照らし合わせることが有効です。

分析のポイントを確認しましょう。

  • 問い合わせの多い質問が FAQ に含まれているか
  • FAQ にあるにもかかわらず問い合わせが来る質問は何か
  • FAQ にない質問で問い合わせが多いものは何か
  • 問い合わせ内容と FAQ の表現にずれはないか

この分析を定期的に行うことで、FAQ の改善ポイントが見えてきます。FAQ にあるのに問い合わせが来る質問は、導線の問題か、回答のわかりにくさが原因です。FAQ にない質問で問い合わせが多いものは、新しい FAQ として追加する候補になります。

問い合わせ対応をしているスタッフの声を集めることも有効です。「この質問は FAQ に書いてあるのに」「この質問が多いので FAQ に追加してほしい」といったフィードバックは、改善の重要なヒントになります。

FAQ の更新と鮮度を保つ

古い情報が掲載されている FAQ は、ユーザーの信頼を損ないます。また、製品やサービスの変更に FAQ が追いついていないと、正確な情報を提供できません。

FAQ を最新に保つための取り組みを確認しましょう。

  • 定期的なレビューのスケジュールを設定する
  • 製品・サービスの変更時に FAQ を更新するフローを作る
  • 古い FAQ には「最終更新日」を表示する
  • アクセスの少ない FAQ は統合または削除を検討する

FAQ の更新は後回しにされがちですが、古い情報は混乱を招き、かえって問い合わせを増やす原因になります。製品やサービスの変更があった際には、関連する FAQ も同時に更新するフローを整備しましょう。

また、アクセス解析で確認して、ほとんど閲覧されていない FAQ は、存在価値を再検討する必要があります。情報の統合や削除によって、FAQ 全体の品質を高めることができます。

対話型 FAQ(チャットボット)を導入する

従来の FAQ ページには限界があります。ユーザーが自分で検索し、自分で情報を探す必要があるため、面倒に感じて問い合わせてしまうケースが少なくありません。この課題を解決するのが、対話型の FAQ(チャットボット)です。

対話型 FAQ のメリットを確認しましょう。

従来の FAQ対話型 FAQ
ユーザーが検索して探す質問すると回答が返ってくる
決まった形式の質問のみ自然な言葉で質問できる
一方通行の情報提供対話で疑問を深掘りできる
FAQ ページに行く必要があるサイト内のどこからでも質問できる

AI チャットボットを活用した FAQ の自動回答を導入すれば、ユーザーは自然な言葉で質問するだけで、適切な回答を得ることができます。FAQ ページを探し回る必要がなく、知りたいことをすぐに知ることができるのです。

また、チャットボットは対話を通じて質問の意図を明確にできます。「料金について教えて」という曖昧な質問に対して、「どのプランの料金をお知りになりたいですか」と聞き返すことで、ユーザーが本当に知りたい情報にたどり着けます。

FAQ からチャットボットへの移行を検討する

既存の FAQ を活用しながら、チャットボットを導入する方法もあります。FAQ のコンテンツをチャットボットの知識ベースとして活用することで、両方の良さを活かすことができます。

移行のステップを確認しましょう。

  • 既存の FAQ を整理し、質問と回答のペアを整備する
  • チャットボットに FAQ の内容を学習させる
  • サイト上にチャットボットを設置する
  • 従来の FAQ ページも残しつつ、チャットボットへの導線を強化する
  • ユーザーの反応を見ながら、回答の精度を改善する

チャットボットを導入したからといって、従来の FAQ ページを廃止する必要はありません。検索エンジンからの流入や、じっくり情報を読みたいユーザーのために、FAQ ページを残しておくことも有効です。

izzchat の AI チャットボットのようなツールを活用すれば、既存の FAQ を効果的に活用しながら、より使いやすい自己解決の仕組みを構築できます。

問い合わせフォームと FAQ を連携させる

問い合わせフォームを送信する前に、関連する FAQ を表示することで、問い合わせを未然に防ぐことができます。この「問い合わせ前の FAQ 提示」は、効果的な問い合わせ削減策の一つです。

連携の方法を確認しましょう。

  • 問い合わせフォームの入力内容から関連 FAQ を表示する
  • 問い合わせカテゴリの選択に応じて FAQ を案内する
  • 送信ボタンを押す前に「これらの FAQ は確認されましたか」と表示する
  • FAQ で解決した場合は「解決しました」ボタンで問い合わせをキャンセルできるようにする

例えば、問い合わせフォームで「配送」というカテゴリを選択したら、配送に関する FAQ の一覧を表示するといった実装が考えられます。ユーザーは FAQ を確認して、それでも解決しない場合にのみ問い合わせを送信することになります。

この方法は、問い合わせようとしているユーザーを「押し返す」ように見えるかもしれませんが、実際にはユーザーにとっても便利です。問い合わせてから返信を待つよりも、すぐに FAQ で回答を得られた方が早いからです。

効果測定と継続的な改善

FAQ の効果を測定し、継続的に改善していくことが重要です。感覚ではなく、データに基づいた改善を行うことで、FAQ の効果を最大化できます。

測定すべき主要な指標を確認しましょう。

  • FAQ ページへのアクセス数
  • 各 FAQ のページビュー数
  • FAQ 閲覧後の問い合わせ率
  • サイト内検索のキーワード
  • FAQ に対する評価(「役に立った」のクリック数など)

FAQ に「この情報は役に立ちましたか」という評価ボタンを設置すると、各 FAQ の品質を測定できます。「役に立たなかった」の評価が多い FAQ は、回答内容の見直しが必要です。

また、サイト内検索で使われたキーワードを分析することも有効です。検索されたけれど結果が 0 件だったキーワードは、FAQ に含まれていない情報のヒントになります。

よくある質問と回答

FAQ が機能しない問題について、よく寄せられる質問にお答えします。

Q. FAQ をどのくらいの頻度で更新すべきか

A. 最低でも四半期に一度は全体をレビューし、必要に応じて更新することをおすすめします。製品やサービスに変更があった場合は、その都度関連する FAQ を更新してください。また、問い合わせが増えた質問は、随時 FAQ に追加していくと効果的です。

Q. FAQ の数はどのくらいが適切か

A. 数自体に正解はありませんが、実際に問い合わせの多い質問に絞ることが重要です。質問を増やしすぎると、ユーザーが目的の情報を見つけにくくなります。まずは問い合わせの多い上位 20〜30 項目程度から始め、必要に応じて追加していくアプローチがおすすめです。

Q. FAQ を見てもらえないのはなぜか

A. 導線の弱さが主な原因です。ユーザーは問い合わせをしようとしているときに FAQ の存在を知らないことが多いです。お問い合わせフォームの近くに FAQ へのリンクを設置したり、サイト全体に FAQ への導線を強化したりすることで改善できます。

Q. チャットボットと FAQ は両方必要か

A. 両方あると効果的です。チャットボットは対話型で気軽に質問できる入り口として機能し、FAQ は詳細な情報を整理してまとめておく場所として機能します。検索エンジンからの流入も考えると、FAQ ページを残しておくメリットは大きいです。

Q. 小規模な企業でも FAQ の改善は効果があるか

A. 効果はあります。むしろ小規模な企業ほど、一件一件の問い合わせ対応の負担が大きいため、FAQ の改善による効果を実感しやすいでしょう。まずは問い合わせの多い質問から FAQ を整備し、導線を強化することから始めてみてください。

まとめ、FAQ を「使われる」仕組みに変える

FAQ を作っても問い合わせが減らないのは、見つけにくさと内容のミスマッチが原因です。導線の強化、検索性の改善、ユーザー目線のコンテンツ作成、そして対話型 FAQ(チャットボット)の導入によって、自己解決率を大幅に向上させることができます。

この記事で解説した主なポイントを振り返ると、以下のようになります。

  • FAQ ページへの導線を強化し、見つけやすくする
  • サイト内検索を整備し、目的の情報にたどり着きやすくする
  • ユーザーの言葉で質問を書き、わかりやすい回答を提供する
  • 問い合わせ内容と照らし合わせて、FAQ の内容を最適化する
  • 定期的に更新し、情報の鮮度を保つ
  • 対話型 FAQ(チャットボット)の導入を検討する
  • 効果を測定し、継続的に改善する

FAQ は「作って終わり」ではなく、継続的な改善が必要です。ユーザーの行動を分析し、問い合わせ内容と照らし合わせながら、より効果的な自己解決の仕組みを構築していきましょう。

AI チャットボットを活用した問い合わせ対応の自動化も、FAQ の効果を高める有効な手段の一つです。従来の FAQ と組み合わせることで、より多くの問い合わせを自己解決に導くことができます。

著者

izzchat編集部

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イズ君

AI チャットボットの導入・運用に関する情報を発信しています。企業の問い合わせ対応効率化をサポートします。

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